レゴ投資って本当に儲かるの?手間だけかかってそんなに儲からないなら、他の投資をしたほうがいいんじゃないか、と思う人向けの記事です。
本記事は、ロシアの研究を要約となります。論文はこちら。
結論
1987~2015年の期間で、年利8%以上で運用ができた。
詳細
サイズが大きいものほどリターンが大きい。
季節性があるもの、組み立てが細かいもの、映画とのコラボもののリターンが高い。
レゴは米国で年間130セットが発売される。
通常1-2年で廃盤になる。
ebayはレゴの最大取引市場。
サンプルは、1981-2014年にリリースされた2,322セット。
割引購入はしない前提(割引購入をした場合は、リターンをさらに押し上げる)
2013年を切り取ると、商品毎の年間リターンは、ー26.73~227.71%
全期間の商品毎の年間リターンは、-53.61~613.28%
・ebayの取引コストを考慮すると、商品毎の年間リターンは▲3.8%低下する。
・別途、ebayのストア手数料や保管手数料を考慮する必要がある。
レゴのリターンは、債券と負の相関があり、株式とは正の相関がある。
レゴのリターンは、株式の中でも小型株と似たような傾向が見られる。
レゴの収益は、米国株式の暴落とは無関係だが、以下の金融危機の影響を受けた。
・1992年のポンド危機
・1998年のロシア財政危機
・2007年の世界金融危機
テーマ別で、リターンが高かったもの
・バットマン、ディノ、ディスカバリー、ハリーポッター、ヒーローファクトリー、アイデア、インディアナジョーンズ、モンスターファイター、スーパーヒーロー、季節のセット
テーマ別で、リターンが低かったもの
・アトランティス、ファクトリー、プリンスオブペルシャ、レーサー、スペース、トイストーリー
ミニフィギュアの数が多いほど、リターンが悪化する。
小規模なレゴ商品と大規模なレゴ商品はリターンが高く、中規模なレゴ商品はリターンが低い。
レゴ投資はアート、ワイン、切手、自動車への投資と比べて優位。レゴの保管コストも同様にそれらを下回る。
(余談)切手収集の期待リターンは年利2.9%(1900-2008年)※株式は同7%
資産クラス別の収益比較
LEGO Chain Index:単純リターン
LEGO Hedonic Index:テーマや規模を加味したリターン
CRSP:全米株式指数(NASDAQ含む)
10Y Gov Bonds:米国長期国債
T-Bills:米国短期国債
上位リターン(テーマ別)
下位リターン(テーマ別)
ピース個数に対するリターン
感想
少なくとも年利8%以上のリターンが期待できるのは魅力的だろう。
ただ、本研究では保管手数料(倉庫、盗難対策)を考慮しないという前提のため、小規模な投資ならS&P500株式の方がレゴのリターンを上回る可能性がある。
大規模に収集を行う場合、保管手数料が相対的に軽減されるため、レゴ投資のポートフォリオ導入が検討できそうだ。
研究を読み解くと、レゴ投資とは別のところで、全米株式指数がS&P500のリターンを大きく上回るチャートになっており、長期比較データを探したい。
コメント